ホーチミンで駐在していた時の話です

A子さんは、当時21歳
ベトナムの短大卒。
英語は日常会話レベルで、日本語は片言程度、話せました。

A子さんはもともと 私が住んでいる長期滞在者用のホテルで受付をしていました。 
長期滞在者用ホテルのため、毎日のチェックインやチェックアウトがあるわけではなく、
仕事としてはあまり忙しくはなかったと思います。
でも そんな仕事の合間に、受付カウンターの後ろに隠れて
一生懸命、A子さんは日本語や英語等の勉強していました。
頼まれた仕事は いつも笑顔で嫌な顔をせずに引き受ける。 
そんな とってもいい子でした。

でも、勤務時間が長くて(休日は1か月に2日だけ)、そして給与は低い。

こういうところで仕事をしていたら 
せっかく 一生懸命で、向上心にあふれ、美しい心を持ち、可能性に満ちたA子さんが 
この底辺(労働環境、待遇、給与において)の世界から 抜け出せないような気がしました。

しばらくしたら、私の会社の仕事が、とても 忙しくなり、 
A子さんに、『アルバイトとして 働いてみませんか?』 と声をかけると、 
彼女は 大喜びで私の提案を受け入れてくれました。

アルバイトで働いている間に仕事は、さらに忙しくなり、 
A子さんには正社員になってもらいました。
彼女の給与は増え、休日は1か月に2日から、週休2日になりました。

私は彼女に、 
『給与が増えて、休日が増たえたのなら 日本語を頑張って勉強しなさい 
日本語をマスターすれば、あなたはもっと良い会社で、 
もっと良い給与がもらえるから』と話しました。

彼女は、私の提案を受け入れ、 
1週間に3回、仕事が終わってから 日本語学校に通うようになりました。
時には、追加費用まで払って、補修も受けていました。

そして、週末には私と一緒に日本語の勉強をしました。
私の教え方は厳しかったと思いますが、彼女は若いので、真綿が水を吸いこむように、
知識、経験、日本語を 吸収していきました。
1週間ごとに彼女の日本語レベルは 上がっていくのがわかります。

英語も当初は下手だったのが、 
英語が公用語のうちの会社で働いていたら 
少しずつ 上達しました。 
英語なんて、度胸と慣れですから。

彼女をはじめ スタッフに対しては 
ダイヤモンドの原石だと思って 接しています。

毎日の仕事を通じて、優しさ、知識、経験などを 
お互いに交換していくと 
原石は どんどん磨かれて行きます。
わたしがスタッフに対してできることは 最大限にしてあげたいと思っています。

ベトナムの人達は 
素直で、真っ直ぐで、ひたむきな人が多いです。
心も優しい。 
こういう人達と一緒にいるだけで こちらまで 幸せな気持ちになります。

だから 彼女達に親切にすることは 
私にとっても 楽しみなこと。

(次回にお話しは続きます)