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「中国、オーストラリア間の貿易協定やアメリカのトランプ税による輸出激減、さらにはウクライナ戦争によるワイン価格のインフレなど2018年以降、ワイン業界は危機に瀕している」とボルドーワイン取引協議会(CIVB)副会長のベルナール・ファルジュ氏は述べています。
有名ワインとそうでないワインの二極化が進み、それに応じて価格差が拡大、ついに大規模な抜根が実施されることが発表されました。
今回はワイン業界が直面する”危機”についてお話していけたらと思います。
価格差の拡大
皆さんは”シャトー・ラフィット・ロートシルト”というワインをご存じでしょうか。
ボルドー地方を代表する言わずと知れた有名ワインで、2022年物は約800ユーロの値がつけられました。(*1)
これは2021年の開始価格から23%以上の上昇です。
干ばつ等の気候災害の影響で歴史的大凶作と揶揄される2021年に対し、豊作の年であった2022年は約4,580万ヘクトリットルのワインが生産されましたが、そのせいでワインの価格は下落の傾向に。(*2)
特にボルドーの赤ワインについてはその傾向が大きく、2022年8月から12月にかけて、その価格は5年間の平均と比べて21%下落しました。
高級ワインとそうでないワインの価格差は開く一方です。
大規模な抜根
このような過剰生産によるワイン価格の低下という問題の解決策として挙がったのが大規模な抜根計画でした。
フランス政府とボルドーワイン取引協議会(CIVB)は2023年3月、5,700万ユーロを投じて9,500ヘクタールのブドウ畑の抜根計画を発表しました。(*3)
国は3800万ユーロ、CIVBは1900万ユーロ、地方は1000万ユーロをFEADER(欧州農村開発農業基金)から拠出するとのことです。
この計画の実施は、ボルドーのブドウ畑の過剰生産に対抗することに加え、「葡萄の木を枯らす病気」であるフラヴセンス・ドレ(Flavescence dorée)対策としての役割も期待されています。
さいごに
ワイン大国として知られるフランス。
現在のこの厳しい状況からどう打開していくのか、期待せざるを得ません。
*1:https://magazine-fr.wein.plus/news/augmentation-des-prix-jusqu-a-40-pour-bordeaux-2022-de-nombreux-acheteurs-jugent-le-millesime-trop-cher
*2:https://objectifaquitaine.latribune.fr/agroalimentaire/2023-03-16/les-prix-des-vins-de-bordeaux-en-forte-baisse-au-second-semestre-2022-955470.html
*3:https://www.francebleu.fr/infos/agriculture-peche/le-civb-vote-19-millions-d-euros-pour-l-arrachage-de-vignes-les-premiers-arrives-seront-les-premiers-servis-7495773
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