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本ブログでも繰り返しお伝えしている通り、フランス人の環境意識は極めて高く、建築分野に関する環境規制も更新されるなど意識を高める政策の勢いは依然として強いままです。(詳しくはこちらを参照ください。)
今回は、『賃貸物件』に対する厳しい規制についてお話していきたいと思います。
建築分野での脱炭素化を目指して
環境移行省(Ministère de laTransition écologique)は、建築分野の脱炭素化を実現するにあたって「住宅リフォームのペースと質を急激に加速させる」と発表し、エネルギーパフォーマンス診断(DPE:Diagnostic de performance énergétique)に基づく規制を取り決めました。(*1)
規制の例としては以下のようなものが挙げられます。
- [2022年の夏から]DPEでFあるいはGの評価を受けた物件は家賃の上昇ができない。
- [2023年1月1日から]1㎡あたり450kWh以上消費するG⁺ランクの住宅は全く賃貸できない。(大家は工事お行い、新しいDPEを証明する書類を提出しない限り、賃貸契約を更新することができない。)
現段階ですでに約50万戸の住宅に影響が出るとされていますが、国立エネルギーリフォーム観測所の試算によると、以下のような今後の規制強化により2028年では520万戸に影響が出るとされています。
- [2025年までに]すべてのGランクが賃貸不可。
- [2028年までに]すべてのFランクが賃貸不可。
最終的には2034年にEランクのすべての住宅も賃貸不可となるよていで、それまでにはフランスの3,000万戸の住宅のうち1,100万戸を超える住宅が対象となります。
つまり、今後10年間で全住宅の約40%が本規制による影響を受けることになります。
各地ですでに悲痛な叫びが…
東洋経済オンラインに投稿されているドラ・トーザン氏の取材によると、フランス各地ではすでに本規制による悲鳴が上がっているとのこと。
断熱性を高める工事をすでに行っていたにもかかわらずGやFなど今後賃貸が不可能となる診断をされてしまうケースも少なくないのが現状。
今後工事をしたいと考えている人も多いですが、工事費用が上昇していることもありなかなか踏み込めないそうです。
(同氏の取材によると45平米のワンルームの改修に約187万円(1万3,000ユーロ)かかるのだとか。)
また、スキーリゾートなど標高の高い土地にある物件はエネルギー効率が悪いと判断されやすく、軒並み悪い結果に。住宅担当相の発表で「DPEの結果が悪ければAirbnbのような観光客向けの宿泊施設も賃貸禁止の対象になる」とされており、今後大きな問題になることが予想されます。
まとめ
田舎にセカンドハウスを所有している人も少なくないフランス。
エネルギー価格の高騰でただでさえセカンドハウスの維持は難しい中、この規制はさらに彼らに頭を抱えさせているに違いありません。
*1:https://www.liberation.fr/societe/logement/pourquoi-les-dpe-bouleversent-le-marche-immobilier-20230531_FAL62LKYZZHSNIB5DLJLC4EZQU/
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